カーペットの日常管理と
メンテナンス
日常管理
・・・カーペットのメンテナンスは、バキューム作業が大きなウエイトを占めています。
一般には、ブラシ付きのアップライトバキュームが適していますが、アクリルやウールなどの紡績糸使いのカーペットにはブラシのない業務用真空掃除機を用います。
バキューム作業で気づいた小さなシミは、その場でパウダー洗剤またはシミトリキットなどを用いてシミ取りを行います。
また、小さなパイルのほつれ、目地部の毛羽立ちも反りばさみでカッティング処理します。汚れやシミは、時間が経つほど落ちにくくなるので、できるだけ作業頻度を上げることが求められます。
クリーニング方法
・・・カーペットのクリーニング方法には、ボンネットクリーニング、パウダークリーニング、エクストラクションクリーニング、ツーステップクリーニングの四種類があります。汚れや施工方法に応じ、適したクリーニング方法を選びます。
最も清掃効果のが高いのは、ツーステップクリーニングです。エクストラクションクリーニングやツーステップクリーニングなど水を使用する方法は、グリッパー工法で施工したカーペットのシーミングのある場所やタイルカーペット、織カーペットでは注意が必要です。
ボンネットクリーニング
パッドまたはカーペット表面に洗剤液を少量スプレーし、拭き上げる。洗剤液の使用が少なく乾きが早いので、通行止めにする必要は特にない。この工法はパイル表面だけの洗浄なので六ヶ月から一年に一度は、エクストラクションクリーニングによってパイル根元から洗浄する必要がある。ただし、水を使用できない場所では、ボンネットクリーニングのサイクルの間にパウダークリーニングを採用する。
パウダークリーニング
洗剤の入ったパウダーを汚染部に散布し、専用マシンでパイルの汚れをパウダーに吸着させ、乾燥後にバキューマーでパウダーを回収する方法。乾きが早いので、作業中でも通行止めにする必要はない。バキューマーでの回収不良による変色、乾燥したパウダーによる室内汚染の可能性があるので、パウダーの選択に注意する。
汚れが強い場所では、プレコン剤との併用が効果的な場合がある。パウダークリーニングは単独で行う場合と、ボンネットクリーニングと併用する場合がある。
エクストラクションクリーニング
ボンネットクリーニングやパウダークリーニングで汚れが除去できなかった部分は、エクストラクションクリーニングによる一工程洗浄を行う。一工程洗浄とは、シャンプーと汚染回収を一工程で行うもの。目地からの洗浄水の浸入を少なくするために、縦横各一回ずつの二回がけを限度とする。床下配線のある二重床部分は、電源を切るなどの配慮が必要。
また、ツーステップクリーニングに比べると、エクストラクションクリーニングでは洗浄後のパイルへの残留水が少ないが、二十四時間の通行止めを原則とする。
ツーステップクリーニング
ツーステップクリーニングは、1.除塵 2.シミ取り 3.クリーニング 4.すすぎ 5.シミ取り 6.乾燥 7.仕上げの工程で行う。まず、高速回転のブラシで基布の深くまで入り込んだほこりや土砂を取り除いてから、シミ取りを行う。その後、ポリッシャータイプあるいはロータリータイプの洗浄機で、中性洗剤を用いてクリーニングし、洗剤液やゴミ・ホコリをすすぎによって取り除く。すすぎは、カーペットを美しく保つために非常に重要な工程などで必ず行うこと。すすぎが終われば再びシミ取りし、乾燥させる。カーペットの色落ちを抑えるため、エアコンや扇風機を使用して速やかに乾燥させる。水溶性や油溶性の粘着物を媒体として付着したほこりや土砂などは、バキューム作業だけでは除去できないので、この方法を年に一~二回実施する。これにより、ほとんどの汚れは除去できる。